伏見城は内部は見れないが桜が綺麗なスポット
伏見城は豊臣秀吉によって築かれた城です。3度にわたって場所を変えたので、歴史上は微妙に場所が違う3つの「伏見城」が存在します。
最初の伏見城は豊臣秀吉の隠居屋敷として、文禄元年(1592年に)に秀吉が命じて作らせました。しかし、この城は文禄5年(1596年)に起きた慶長伏見地震で倒壊してしまいました。
その後、伏見城は近隣の木幡山(現在の明治天皇陵)に再築されました。これが2つ目の伏見城です。慶長2年(1597年)に完成したこの伏見城は昼夜を問わず築城工事を行ない、わずか3か月で完成させたと言われていて、秀吉はここで晩年を過ごしたと言われています。
秀吉の没後は、徳川家康が城に入り政務を行なっていて、関ヶ原の戦いの際には家臣の鳥居元忠が城を守っていましたが、伏見城の戦いで、西軍に攻められ落城しました。京都のお寺に残る血天井はこの時のものと言われています。
この戦いで焼失した伏見城は慶長7年(1602年)に徳川家康によって再建されました。これが3つ目の伏見城ですが、その後京の城郭は二条城に集約となり、伏見城は軍事的な重要性を失くしたため、元和9年(1623年)に廃城とされてしまいました。
廃城後、建物や部材は、二条城、淀城、福山城など、京都の社寺や諸大名に移築されました。
現在、伏見城の城跡付近は伏見桃山運動公園として整備され、天守と小天守が二つ並んで建てられています。この立派な二つの建物は、本物ではありません。昭和39年(1964年)に近畿日本鉄道株式会社のグループ会社、株式会社 桃山城が造った、伏見桃山キャッスルランドの名物として建てられたものです。
伏見桃山キャッスルランドはジェットコースターなどがある遊園地としてオープンしましたが、平成15年(2003年)に閉園しました。閉園後、京都市によって伏見桃山城運動公園として整備されましたが、天守は京都府民の要望により残されたそうです。
伏見城の見どころ
天守と小天守
本物ではないとは言え、二つ並んで建つ天守と小天守はなかなか見ることができないので貴重です。また見た目もカッコよく、映画やドラマの撮影地として何度も利用されています。現在は耐震基準を満たしていないことから、内部に入ることはできず非公開となっています。
伏見桃山陵
明治天皇の陵墓なので、観光地と言うような場所ではありませんが、森林に囲まれた静かな空間で、穏やかな気持ちになれる場所です。入り口を入って進んで行くと現れるのが200段を超える大階段。なかなかの迫力です。
北堀公園
子供も喜ぶアスレチックのある公園があります。広々としていて、散歩やジョギングをしている人も見かけます。水遊びができる場所もあるので、子供連れの人も楽しめる場所です。
伏見桃山城の桜
伏見桃山城は桜も咲き、白と桜の美しい景観が楽しめるお花見スポットです。伏見桃山城付近に何もないためか人は少ない日が多く、のんびりしたい人には良い桜スポットと言えます。春に京都観光をする際は穴場の一つとして伏見桃山城を選ぶのもありでしょう。
伏見城を含むおすすめ観光ルート
伏見桃山城→桓武天皇柏原陵→明治天皇伏見桃山陵→昭憲皇太后伏見桃山東陵→乃木神社を回るルートがおすすめです。これはおすすめというよりは周辺に目立った観光スポットがなく、森林の歩道を歩いて史跡がたまにあるような場所なので、そのような人にはおすすめというイメージです。
電車に乗って伏見や宇治に行くのもおすすめ
なので、京都観光というよりは普段出かけてなんとなく歩くのに適した場所と言えるでしょう。京都観光目的なら、電車に乗って伏見に行くか宇治へ行くのがおすすめです。伏見は坂本龍馬や新選組など明治維新が好きな人向けで素朴な史跡と商店街がメインです。
宇治は観光スポットが集まり、店も多く、源氏物語や世界遺産があるなど街全体が観光を意識しているような場所になっています。デートや一人旅、歴史好きや旅行好きなどで選ぶ行き先を変えるのにお役立てください。
詳細はそれぞれのページを見ていただければと思います。
伏見の月桂冠大倉記念館
また伏見は酒蔵がたくさんある町でもあります。酒蔵によっては酒蔵見学や試飲させてくれるところもあるのでお酒好きの方は酒造巡りもおすすめです。
有名メーカー月桂冠の酒造りや歴史について知ることができる資料館です。京都の湧き水を飲んだり、ワインの試飲や数種類の日本酒の利き酒を行うこともできます。お土産に大吟醸のワンカップがいただけます。
住所:京都府京都市伏見区南浜町247
電話番号:075-623-2056
営業時間:9:30~16:30
定休日:月曜日
料金:大人300円、中高校生100円
他にもキンシ正宗 新常磐蔵、藤岡酒造、伏見夢百衆、京の名水白菊水など。
また、毎年3月ごろに開催される「伏見の清酒 新酒蔵出し 日本酒祭り」では、伏見の蔵元が一同に会して、新酒や清酒を販売や利き酒チャレンジなど各蔵元ごとにイベントを行います。