東寺の見どころ(境内・庭園・季節を解説)と歴史をわかりやすく紹介

東寺は教王護国寺とも呼ばれ、京都駅から近く見どころの多い寺院です。このページでは境内・庭園・季節の3つのカテゴリーをメインとし、その他歴史や人物、東寺の7不思議などの豆知識もあわせて東寺を解説しています。

1. 東寺の歴史と人物

東寺の歴史は空海の歴史というほど空海色が強いものとなっています。また、時代が変わると足利尊氏が関わる逸話が残るなど、空海以外の人物も含めて東寺の歴史をわかりやすく解説していきます。

東寺の歴史1. 空海

空海の誕生から

1. 空海の誕生から遣唐使帰国後

修行大師像

774年、現在の香川県にて空海が誕生。青年になった空海は大学を辞め、乞食僧になります。彷徨うなかで、虚空蔵菩薩求聞持法の修行を行い開眼。その後空海は31歳で遣唐使として唐に行きます。

  • 唐滞在の二年間で恵果に密教を伝授され、空海は帰国(806年)
  • 帰国後、朝廷に「御請来目録ごしょうらいもくろく」などを提出
  • のちにこれらを見た最澄は自分の密教が不完全だと感じ空海に弟子入りするが最終的には仲違いする

2. 東寺建立

遣唐使として唐に渡り密教を持ち帰った空海は、その後、嵯峨天皇から官立寺院である東寺を任されます。空海は東寺の伽藍建立時に、現在も東寺の境内にある八島神社に祈願をしたともいわれています。

空海は立体曼荼羅や境内の配置をはじめ、東寺の境内全体を使い曼荼羅を表現することとしました。

空海が講堂に21体の仏像を配置し、密教世界を表した立体曼荼羅や、五重塔、唐から持ち帰った仏具があった宝蔵があるなど、密教が各所に感じられるのが東寺の特徴です。

また、東寺は平安時代から変わらない配置で、金堂、講堂、食堂と伽藍が並びます。これは仏教の三宝を表しており、三宝とは、仏法僧のことです。

  • 823年 京都の東寺を賜り、教王護国寺きょうおうごこくじと改名
  • 824年 京都の神泉苑で7日間祈祷し雨雲を呼んだ(50歳)
  • 828年 綜芸種智院しゅげいしゅちいんを創立。入りたい人は誰でも入れて費用もタダの総合教育の場

東寺を賜り、ここから教王護国寺として現在まで東寺の歴史が続くことになります。神泉苑での雨乞いや、手芸種智院の創立の他、各地で土木事業に取り組むなど仏教の教えを体現し人々の苦しみを取り除くことを行動で行なっていた痕跡が見られます。

3. 空海入滅(死)

東寺 空海像

空海は835年(承和2年) 3月21日に高野山にて、「56億7000万年後、私は必ず弥勒菩薩とともに下生する。」と言い残して即身成仏となっています(62歳)。下生とは仏がこの世の人々を救うために出現することです。

弘法大師・空海の死後、東寺では命日の3月21日にちなんで毎月、弘法市が開かれ、その他、骨董市も開かれています。

  • 弘法市・・・毎月21日
  • 骨董市・・・毎月第一日曜日

その他、東寺ある鎮守八幡宮は東寺創建時からある神社で、空海が作った僧形八幡神と女神二尊が祀られています。

東寺の歴史2. 足利尊氏

東寺の歴史2. 足利尊氏

東寺の歴史には足利尊氏も関わっており、東寺の見どころと合わせることで簡単に理解できます。

1. 食堂と尊氏

東寺の食堂

食堂じきどうとは僧が食事をしていたお堂で、現在ではお参りをしたりおみくじを引いたりできる場所になっています。

中に四天王像があります。過去には足利尊氏が一時的に住んでいたとも言われています。

2. 不開門と尊氏

東大門ひがしだいもんは、不開門あかずのもんとも言われる門。1336年(建武3年)の南北朝時代に、足利尊氏が上洛した際、東寺に布陣。

新田義貞からの攻撃で窮地に陥りますが、東大門を固く閉ざし難を逃れたことに由来しています。

3. 鎮守八幡宮と尊氏

南大門を入って左奥にあるのが鎮守八幡宮です。割と見落としやすいので見どころとして載せておきます。鎮守八幡宮から矢が飛び、足利尊氏が勝利した伝説があります。

東寺の東大門、別名・不開門あかずのもんと関連するのが東寺鎮守八幡宮です。

後醍醐天皇軍の新田義貞が足利尊氏を東寺で追い詰めた時、東寺鎮守八幡宮の明神が新田義貞らに矢を放ち足利尊氏を助けたという伝説があります。

東寺の八島殿

不開門といわれる東大門を固く閉ざすことで劣勢を乗り切った足利尊氏。そして東寺鎮守八幡宮から矢が放たれ新田義貞軍を退けた足利尊氏。

このように東寺は足利尊氏に味方したという歴史がわかる逸話が残っています。当時、足利尊氏や新田義貞は京都でも各所に歴史的な痕跡があります。

足利尊氏は後醍醐天皇の菩提を弔うため天龍寺を建立し、同じ嵐山の滝口寺には新田義貞の首塚があるなど、東寺での攻防から京都観光時に歴史を辿ることもできます。

2. 東寺境内(無料)3つの見どころ

東寺境内の風景

東寺は無料・有料の場所があり、それぞれ見どころは様々です。ここでは無料で見られる3つの見どころについて解説していきます。

見所1.南大門と慶賀門

見所1. 南大門

南大門

東寺の入り口はいくつかありますが、入り口としては南大門なんだいもんがおすすめ。東寺の南側にある巨大な門です。創建時の門は消失してしまったため、三十三間堂の西門を移築して造られています。

  • 南大門は東寺の正門であり重要文化財
  • 高さ約13m、幅約18mの切妻造本瓦葺
  • 三間一戸八脚門

南大門の中に金堂が見えます。

東寺境内3つの見所1. 慶賀門

慶賀門けいがもんは、京都駅から一番近い東寺の入り口で、鎌倉時代からある重要文化財。

見所2. 大日堂・毘沙門堂・御影堂

見所3. 大日堂・毘沙門堂・御影堂

東寺の御影堂

東寺の御影堂みえいどうは空海が住んでいた場所という意味で、大師堂という別名が付いています。

空海の別名は弘法大師こうぼうだいし。そのため大師堂と呼ばれてます。国宝の弘法大師像が祀られ、毎朝「生身供しょうじんぐ」が行われます。

生身供とは、毎朝6時に行われ参加もできる法要。空海へ食事やお茶をお供えします。国宝・弘法大師像を拝みつつ、読経を行い、仏舎利を頭と両手に授けるというもの。

  • 御影堂には大師尊像がある
  • この像は1233年(鎌倉時代)仏師康勝の作品

御影堂の斜め前に毘沙門堂があり、御影堂を回って裏手に行くと大日堂があります。

3. 東寺 庭園(有料)3つの見どころ

東寺の桜

東寺には有料の庭園があります。この庭園の中の見どころは3つ。金堂・講堂・五重塔です。

庭園自体は季節によって雰囲気が変わり、不二桜や瓢箪池など見どころも増えるので、季節の写真を載せて後述します。ここでは庭園内の建物3つを解説していきます。

庭園内の見所1. 五重塔

庭園内の見所1. 五重塔

東寺の五重塔

東寺の五重塔は木造の塔としては日本一高く、約55mあります。

  • 東寺の五重塔は4度も焼失している
  • 徳川家光が立て直し、現在の5代目の五重塔に至っている
  • 五重塔は一階のみ入れる特別公開があり、仏像や僧の絵がある

五重塔は826年(天長三年)弘法大師が創建着手し、その後4回焼失。現在の五重塔は1644年(正保元年)に徳川家光の寄進で建て直された江戸時代からのものです。

五重塔はライトアップでも映えるため、東寺ライトアップ時の観光にもおすすめです。

五重塔は春と秋に内部が特別公開されます。塔内部は密教の教えを表現した立体曼荼羅の造り。

庭園内の見所2. 金堂と仏像

庭園内の見所2. 金堂

講堂の隣にあるのが金堂です。南大門や五重の塔に近い方が金堂で、東寺の本堂であり、巨大な薬師如来像をはじめ、両脇に日光月光菩薩を見ることができます。

東寺の金堂

仏像の基礎知識としては、仏教には如来を頂点に、菩薩・明王・天部という階層があります。

  1. 如来は、悟りを開いた最上位の存在。大日如来、薬師如来など。
  2. 菩薩は、悟りを開くための修行中の存在で、人々を救います。日光月光菩薩、など。
  3. 明王は、悪を討つ存在のため怒りの形相をしています。不動明王など。
  4. 天部は、仏教界を敵から守る守護神です。帝釈天・四天王など。

金堂はライトアップの際に入口から仏像が見え、普段とは違う風景が楽しめます。

庭園内の見所3. 講堂と立体曼荼羅

庭園内の見所3. 講堂

立体曼荼羅は講堂にあります。密教の思想を仏像を使って表現した東寺の特徴の一つです。すべての仏像が国宝か重要文化財になっており、価値の高い見どころの一つと言えます。

講堂は大日如来を始め、五智如来・五大菩薩・五大明王、そして帝釈天を筆頭とする天部などが21体配置されています。これが立体曼荼羅で、空海が日本にもたらした密教の世界を楽しめます。仏像の中にイケメンと話題の帝釈天像があるので探してみましょう。

東寺 講堂

立体曼荼羅とは空海が掛け軸などの二次元的な表現ではなく、仏像を使い表現した曼荼羅で、次のような配置になっています。

  • 中央に如来部
  • 右側に菩薩部
  • 左側に明王部

仏教には三輪身さんりんじんという考え方があります。三輪身は如来と菩薩と明王が全て身を変えたもの。

  • 如来は自性輪身じしょうりんしん(仏教真理そのもの)
  • 菩薩は正法輪身しょうぼうりんしん仏教の教えで人を救う存在)
  • 明王は教令輪身きょうりょうりんしん(菩薩が救えなかった存在を教化する存在)

立体曼荼羅を図にすると次のようになります。

五智如来 五大菩薩 五大明王
中央 大日如来 金剛波羅蜜多菩薩 不動明王
阿閃如来 金剛薩埵菩薩 降三世明王
宝生如来 金剛法菩薩 軍荼利明王
西 阿弥陀如来 金剛法菩薩 大威徳明王
不空成就如来 金剛業菩薩 金剛夜叉明王

この両脇に四天王などの天部が配置されています。

それでは次に立体曼荼羅の五智如来・五大菩薩・五大明王それぞれについて解説していきます。

立体曼荼羅

五智如来

五智如来

如来部中央に大日如来が置かれ、その周りを囲むように阿弥陀如来・宝生如来・不空成就如来・阿閦如来あしゅくにょらいが配置されています。

五智如来とは密教で、それぞれ大日如来のそなえる五つの智慧(五智)を分担し司る如来のこと。

如来はブッダのことで、ブッダは悟りを開いたものの意味があります。動物も人も神も六道輪廻から抜けられませんが、如来は悟りを開いており、六道輪廻から抜けた存在として天部(神)たちからも尊敬される存在とされています。そのため如来の仏像は開花した蓮華の上に乗って表現されています。

大日如来

大日如来とは真言密教の中心となる仏で、宇宙の根源とされる如来です。そのため金剛界・胎蔵界の曼荼羅でも中心に描かれます。曼荼羅とは存在の本質を意味し、その中心にいるのが大日如来です。

阿閦如来

何事にも動じない、揺るぎないものの意味。そのため不動如来とも言われます。迷いに打ち勝つ力を授ける如来で、大円鏡智という大きな鏡のように、すべてを正しくありのままに映す智慧を司る如来です。

  • 阿閦如来は死後7年目に案内をしてくれる十三仏
  • 十三仏とは亡くなった人をあの世に行けるように案内する仏のこと

宝生如来

宝生如来ほうしょうにょらいは宝より生じたものの意味があり、財宝を生み出すとされています。また、平等性智びょうどうしょうちという絶対平等の世界で観察する智慧を司る如来です。

阿弥陀如来

阿弥陀如来は密教以外の宗教で極楽浄土の教主という位置づけの仏。密教では大日如来の一つの属性として扱われています。

不空成就如来ふくうじょうじゅにょらいは、その完成が空しくないものという意味。不空成就如来は他の宗教の釈迦如来に位置するものとして密教にと入れられているという解釈があります。

五大菩薩

五大菩薩

菩薩部は金剛波羅蜜多菩薩を中心に、各菩薩が四方に配置されています。これらの菩薩はそれぞれ如来部の各如来と連動しており、如来の化身となっています。

金剛波羅蜜多菩薩

金剛波羅蜜多菩薩こんごうはらみつたぼさつ(中央)は、大日如来が人々を救済するために、 菩薩(慈悲の姿)に化身した姿。

金剛法菩薩

金剛法菩薩こんごうほうぼさつ(南・左下)は、阿弥陀如来が人々を救済するために、 菩薩(慈悲の姿)に化身した姿。

金剛宝菩薩

金剛宝菩薩こんごうほうぼさつ(東・右下)は、宝生如来が人々を救済するために、 菩薩(慈悲の姿)に化身した姿。

金剛薩埵菩薩

金剛薩埵菩薩こんごうさったぼさつ(西・左上)は、阿閦如来が人々を救済するために、 菩薩(慈悲の姿)に化身した姿。

金剛業菩薩

金剛業菩薩こんごうぎょうぼさつ(北・右上)は、不空成就如来が人々を救済するために、 菩薩(慈悲の姿)に化身した姿。

カッコ内の説明は中央の金剛波羅蜜多菩薩に向かっての方向です。

菩薩は慈悲を持って人々を導きます。まだ悟り切っておらず仏像は開花途中の蓮華に座っています。

五大明王

五大明王

東寺の立体曼荼羅の明王部は不動明王を中心に各4体の明王が囲みます。五大明王は不動明王を中心とし、それぞれの明王が東西南北の各方角を守護しています。

不動明王

不動明王ふどうみょうおう(中央)は、大日如来の化身でインドではアチャラ(動かない)・ナータ(守護者)と言われていた。アチャラ・ナータは破壊神シヴァの異名。

不動明王は空海以前は日本には無かったと言われ、空海が彫った不動明王像が日本最古の不動明王と言われています。そして不動明王は忿怒ふんぬの形相で武器を持っていますが大日如来の化身です。不動明王はお不動さんやお不動様の愛称で各地で親しまれています。

降三世明王

降三世明王ごうざんぜみょうおう(東・右下)は、阿閦如来の化身とされる明王。三界の勝利者とも言われています。

三界とは欲界・色界・無色界のこと。これは餓鬼道・人間道・神々の世界すべてを含めた意味があり、この三界の支配者シヴァに勝利したものの意味とも解釈されています。このことから悪魔を退け、欲望・怒り・愚痴の三毒を取り除くとされています。

軍荼利明王

軍荼利明王ぐんだりみょうおう(南・左下)は、サンスクリッド語のクンダリニーが由来。

  • クンダリニーの語源は水瓶やとぐろを巻いた蛇
  • ヨガのチャクラの一つで尾骶骨辺りにあるとされる
  • このチャクラのエネルギーが使えるようになると不老不死に近づけるとも考えられていた
  • そのため蛇は不老不死、死と再生、豊穣などのシンボルである蛇を軍荼利明王は纏っている

軍荼利印ぐんだりいんという胸の前で手を交差する印が特徴的。軍荼利明王はガネーシャを調伏したとされています。また、金剛界曼荼羅では甘露軍荼利明王となっています。

大威徳明王

大威徳明王だいいとくみょうおう(西・左上)は、大いなる威力を備えているという意味で、呪殺の王という特徴があります。

大威徳明王は阿弥陀如来が変身した姿で、サンスクリット語ではバジュラ・バイラバと言います。

  • バジュラは金剛の意味(最も硬い)・インドラの武器(帝釈天の武器)
  • バイラバはシヴァの最も凶暴な面の意味

また、ヤマーンタカという別名もあります。ヤマを倒す者という意味であり、ヤマは冥界の神のこと、つまり仏教では閻魔大王のこととなります。そのため大威徳明王は降閻魔尊ごうえんまそんの別名があります。

このように呪殺・冥界・シヴァの最も凶暴な面・大いなる威力を持つなど、恐ろしさが特徴的な明王が大威徳明王です。

金剛夜叉明王

金剛夜叉明王こんごうやしゃみょうおう(北・右上)
は、不空成就如来の化身で、サンスクリット語ではバジュラヤクシャと言います。

バジュラはインドラ(帝釈天)の武器 、金剛杵、煩悩を滅ぼすなどの意味があります。

ヤクシャは悪鬼のこと。金剛夜叉明王は元々は悪鬼でしたが、大日如来の特に触れ改心。その後仏法を守護する明王になりました。改心後は悪人のみを喰らい、善を守る明王となっています。  

五大明王のまとめ

カッコ内の説明は中央の不動明王に向かっての方向です。

五大明王は密教の神で、密教には空海の真言宗と最澄の天台宗があります。この真言宗と天台宗で違いがあり、真言宗では金剛夜叉明王、天台宗では烏枢沙摩明王うすさまみょうおうとなっています。

4. 東寺 季節の見どころ

東寺は春に桜、秋に紅葉が楽しめる庭園があるので、季節の見どころとしては桜と紅葉の時期になります。

東寺の境内

この2つの時期は夜間特別拝観も行っており、庭園に入って夜桜や夜の紅葉ライトアップを楽しむことができます。

季節の見所1. 東寺の梅

季節の見所1. 東寺の梅

東寺の梅

東寺の梅は、梅を見るために東寺に行くというほど見事なものではありません。数も少ないので、冬の庭に彩りを加える程度の風景になります。ただ、五重塔に梅が重なる風景があるので、他のお寺では見られない風景として楽しめます。

季節の見所2. 東寺の桜

季節の見所2. 東寺の桜

東寺庭園内に不二桜という大きな桜の木があります。その他にも庭園内に桜があり、ピンク色が映える見栄えのする庭園を楽しむことができます。

五重塔と瓢箪池ひょうたんいけと共に映る桜の風景は思い出に残る風景になると思います。

東寺の不二桜

不二桜ふじざくらは、樹齢130年の八重紅しだれ桜で、高さは13mあります。名前は空海の不二の教えが由来となっています。

岩手、秋田、三重、そして京都の東寺に2006年に移植されたという経歴があります。

季節の見所3. 東寺の夜桜ライトアップ

季節の見所3. 東寺の夜桜ライトアップ

東寺は夜桜のライトアップ期間がおすすめです。特にカップルのデートにはおすすめのスポットになっており、夜桜を眺めながら和んでいるカップルなども見かけます。

「来て良かったね。」「すごいね!」という言葉がよく聞かれるほどなので、デートにはおすすめのスポットと言えるでしょう。

季節の見所4. 東寺の紅葉

季節の見所4. 東寺の紅葉

東寺は京都駅から最も近い紅葉スポットの一つなので、人も多くきますが、境内が広いことや、有料の庭園も広めな造りになっていることもあり、スムーズに観光できる日が多いスポットです。

五重塔や瓢箪池ひょうたんいけと紅葉の組み合わせをゆったりと見て周り、仏像も拝観すると、思い出に残りやすい紅葉になるかもしれません。

季節の見所5. 東寺の紅葉ライトアップ

季節の見所5. 東寺の紅葉ライトアップ

東寺は秋になると紅葉のライトアップもあります。紅葉のライトアップも見事で、池に反射した五重塔や紅葉が美しく、幻想的な風景を楽しめます。

夜桜のライトアップとは違う美しさがあるので、秋の紅葉スポットとして、昼夜で東寺を楽しむのも良いかもしれません。

季節の見所6. イチョウ

季節の見所6. イチョウ

東寺のイチョウ

南大門側のイチョウが立派で紅葉すると存在感があり見事です。

季節の見所7. 宝物館

見所7. 宝物館

東寺の宝物館

宝物館は季節限定の見どころです。庭園以外ではここのみ有料で、春・秋に特別公開されます。仏像や古文書などを見ることができる有料の建物です。約1万5千もの宝物が収められており見応えがあります。

5. その他、解説

1. 潅頂院

1. 潅頂院

東寺の潅頂院

潅頂院かんじょういんは、創建半ばで空海は入定し、東寺第二祖の実恵大徳により完成、三代将軍・徳川家光が再建しています。

毎年4月21日は空海入定日のため特別公開され、龍神が描くとも伝えられる絵馬の参拝で賑わうとか。

  1. 名前にある潅頂(灌頂)とは、密教では正当な継承者とする儀式のこと
  2. 空海が唐に行き、密教継承者の恵果けいかから灌頂されている
  3. 空海も最長に結縁灌頂を行なっている

空海入定日の4月21日に潅頂院かんじょういんが特別公開されます。そして閼伽井あかいとは、潅頂院にある灌頂儀式に使う井戸です。

  • 結縁灌頂けちえんかんじょうとは、仏と縁を結び、本尊になってもらう仏を決める灌頂
  • 受明灌頂じゅみょうかんじょうとは、弟子として修行し、密教を深く学ぶ段階の灌頂
  • 伝法灌頂でんぼうかんじょうとは、阿闍梨あじゃり(師匠・師範・先生のようなもの)になる灌頂。密教の奥義が伝授され、弟子を持てるようになる
2. 八島神社(八島殿)

2. 八島神社(八島殿)

南大門を入って右側にある神社が八島神社(八島殿)です。東寺創建前からある神社で、大己貴神おおなむちのかみを祭神としています。

東寺の八島殿

大己貴神おおなむちのかみは大国主神や七福神の大国様と同一視される神で、古事記に登場する神です。

また、八島神社は空海が東寺の伽藍建立について祈願をしたともいわれています。


3. 観智院

3. 観智院

南大門の対面がの北大門を出てすぐ右にある塔頭が観智院かんちいんです。塔頭とは寺から派生した子院のこと。

東寺の観智院

客殿は桃山時代の書院造りの様式なので、造りに注目してみると良いと思います。真言宗の中の、大学の研究所のような位置付けで、本尊は五大虚空蔵菩薩です。また、宮本武蔵筆とされる鷲の図・竹林図があります。

  • 杲宝ごうほうが造営を始めた寺
  • 金剛蔵聖教こんごうぞうしょうぎょうを保管
  • 本尊は五大虚空蔵菩薩像は恵運えうんの請来仏
  • 東宝記とうぼうきは杲宝と賢宝(けんぼう)が編集した東寺の寺誌
  • 荒廃していたが1605年(慶長10年)に再建
4. 小子房

4. 小子房

東寺 小子房

小子房は足利尊氏が都入りした際に光厳上皇が一時的に御所とした場所で、いつも閉まっています。

5. 万病ぬぐい 贔屓

5.万病ぬぐい 贔屓

東寺にいくと亀のような像が目に付きます。これは贔屓ひいきという想像上の動物で、中国が元になっています。

贔屓は万病平癒のご利益があるといわれ、万病ぬぐいの布で贔屓をさすり、自分の患部もさすると傷病の回復や軽減に効果があると言い伝えられています。

  • 万病ぬぐいの布は東寺の御影堂にある
  • 傷病が回復したり、効果が薄くなったら布納めの棒に結ぶ

東寺 見どころのまとめ

東寺の魅力は京都駅から近いのですぐに立ち寄れる事。そして仏像が豊富にあり、立体曼荼羅など空海が唐から持ち帰った歴史や密教を感じられることが魅力です。

東寺 見どころのまとめ

東寺 紅葉 ライトアップ

その他、桜や紅葉などの季節感を味わえる庭園があることも他のお寺と違い楽しめるポイントになっています。骨董市なども人によっては面白いので、日程が合う人は日程を確認して東寺に行ってみると良いでしょう。

東寺の鷺

東寺をまとめると次のようになります。

  • 京都駅から近い、京都水族館なども近い
  • 仏像も観れる(立体曼荼羅)
  • 五重塔がある庭園も楽しめる
  • 宝物館もある
  • 弘法市・骨董市がある
  • 不二桜のほか、桜が綺麗で夜桜もライトアップされる
  • 紅葉が楽しめ、紅葉ライトアップもある
  • 真言密教の根本道場で官寺
東寺の七不思議

東寺の七不思議

東寺には七不思議があり、それぞれの場所の歴史を知ると小さな見どころにも変わります。

不開門

不開門あけずのもんは東大門のことで、足利尊氏が新田義貞の攻撃を難を逃れた門です。

1336年(建武3年)6月、上洛した足利尊氏は東寺に本陣を構えます。新田義貞らとので追い詰められた尊氏は、東寺の東大門の扉を閉ざし新田義貞の攻撃を防ぎ切り難を逃れたとのこと。東大門矢傷の跡(小穴)はこの戦いのものと考えられています。

蓮華門

東寺にある6つの門のうち国宝に指定されており、東寺の中で最古の門。空海が高野山へ隠棲する際に不動明王が涙を流しながら別れを惜しんだ門とも言われています。

穴門

不倫した僧の袈裟衣を剥ぎ取り破門する際に使われた門。

天降石

東寺の天降石

天から降ってきた石と言われる正体不明の石です。東寺の境内には、「天降石てんこうせき」と呼ばれる霊石があります。

古くからこの地にあったと伝わる石で、江戸時代には「護法石(五宝石)」や「不動石」と呼ばれていました。

この霊石、病気平癒に霊験あらたかとされ、この石を撫で、その撫でた手で体の悪いところを擦ると病気が治るといわれています。別名「撫石なでいし」とも呼ばれ信仰を集める霊石です。

宝蔵

慶賀門から入って左手にあるのが宝蔵です。平安時代の重要文化財で、空海が唐から持ち帰った仏具が修められていた建物です。

猫の曲がり

猫の曲がりはいくつか説があります。

東寺の角辺りが増えすぎた猫を捨てる猫捨て場になっていたことから猫の曲がりと呼ばれた説。

東寺に置かれた白虎像が弱々しく痩せた猫のような顔をしていたことから猫の曲がりと呼ばれた説。

さらにこの場所は追いはぎが出る不気味な場所であり、京都の人々が怖がる魔所だったというのも猫の曲がりの由来に拍車をかけているようです。

瓢箪池

瓢箪池ひょうたんいけは有料の庭園内にある池で、五重塔が傾いた際に、傾いた反対側に穴を掘ることで五重塔の傾きが直り、雨が溜まって瓢箪池になったという逸話がある池です。

東寺へのアクセスと周辺の街並み

東寺へのアクセスと周辺の街並み

東寺は京都駅から徒歩15分程度、東寺駅からは3分程度です。

  • 東寺は京都駅から近く、歩いて行ける距離にあります。京都駅から徒歩15分程度。
  • 東寺駅が最寄駅で、東寺駅から徒歩3分程度(五重塔はすぐ見えます)。京都駅から東寺駅は1駅で到着(近鉄京都線)。電車に乗ると1分程度で着きますが待ち時間を考えるともう少しかかります。

東寺周辺の街並みは普通の市街地で、少し歩くと京都駅があるため、飲食店や買い物には困りません。

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