修学院離宮の見どころと、予約方法を解説

修学院離宮に行くには先に知っておいた方が良い情報があります。それはこのページの後半に書いていますが、入場時間や入場方法が他の社寺仏閣と違うところです。

修学院離宮とは

修学院離宮の田園風景遠景

修学院離宮は、1656年(明暦2年)~1659年(万治2年)に後水尾上皇が比叡山麓に造営した離宮で、1668年(寛文8年)に増築されました。

総面積約54万5000平方メートルで、谷川をせき止めた人工池や、3つのエリアに大別でき、下離宮 → 中離宮 → 上離宮の順に拝観して行きます。これら修学院離宮の見どころを順に解説していきます。

下離宮の見どころ

修学院離宮-下離宮の風景

下離宮には柿葺の屋根と花菱紋の透かし彫りが施してある御幸門から入ります。池泉式廻遊庭園になっていて、石段の上に寿月観があります。

修学院離宮-下離宮(寿月観)

下離宮唯一の建物で、創建当時のものではなく、1824年(文政7年)に江戸幕府将軍徳川家斉が後光格天皇の為に再建したものです。

一の間、二の間、三の間、茶室があり、一の間には後水尾上皇の扁額「寿月観」や、虎渓三笑の襖絵があります。
寿月観の前庭にある飛び石や池のほとりに立つ袖石灯篭も見どころです。

田園風景

修学院離宮-田園風景

下離宮から中離宮へ進む道が美しい田園風景になっています。青空が水田に反射して水鏡になり、広々とした土地の先に見える京都の街見ることができます。

中離宮の見どころ

下離宮の東門から出て中離宮に進みます。
中離宮には楽只軒と客殿があり、階段で繋がっています。

楽只軒は1668年(寛文8年)また前年に後水尾上皇の皇女光子内親王のために建てられたものです。
楽只軒の沓脱石は、二色の変わった模様をした石が使われています。

一の間と二の間には後水尾上皇直筆の額「楽只軒」が掛かっています。
一の間の吉野山の桜と、二の間で龍田川の紅葉は、絵師狩野探信によって描かれたものです。
客殿は東福門院の女院御所の奥対面所を1682年(天和2年)光子内親王のために移したもの。

一の間には大小5枚の棚板の高さを変えて設置し、霞がたなびいたように見える霞棚があります。
この霞棚は桂離宮の新御殿の桂棚、醍醐寺の三宝院宸殿の醍醐棚と合わせて、天下三名棚と言われています。

前庭の遣水近くには織部燈籠と呼ばれる燈籠があります。
キリシタン燈籠とも呼ばれていて、マリア像に見立てられる彫刻が掘られています。
上離宮には松並み木道を通って向かいます。
御馬車道とも呼ばれています。

かつてこの道はあぜ道でしたが、明治時代に拡幅整備され、赤松が植えられました。
葉や枝を間引いて整えながらも、あたかも人手を加えていないような柔らかな感じに仕上がる「御所透かし」という手法で丁寧に手入れされています。

上離宮の見どころ

松並み木道を登って行くと、その奥に上御茶屋の表門に当たる御成門があります。
門を通って急な石畳を上っていきます。

修学院離宮-上離宮(隣雲亭からの浴龍池の風景)

石畳の左右は背の高い刈込みがあり、視界が遮られています。石段を上り切ると視界が開け、眼下に大パノラマの絶景を見ることができます。

修学院離宮-上離宮(欲龍池)

ここから見る浴龍池と呼ばれる人工池を中心とした回遊式の大庭園が一番の見どころです。
この雄大な景色を堪能できる高台に建つのが隣雲亭です。ここから下り、上離宮は浴龍池を回るように散策します。

修学院離宮-上離宮(千歳橋)

池を歩いていくと、千歳橋と窮邃亭があります。千歳橋は19世紀前半に京都所司代が献上したもの。

修学院離宮-上離宮(窮邃亭)

窮邃亭は18畳の1室と水屋があり、唯一の造営当初の建物です。

紅葉

自然に囲まれた修学院離宮は紅葉の名所としても有名です。例年11月中旬頃から下旬頃に見頃を迎えます。修学院離宮周辺のスポットも紅葉が美しいので合わせて観光するのがおすすめです。

修学院離宮の見学手続き

修学院離宮周辺と当日受付入
修学院離宮を見学するには、基本的に事前の予約が必要です。予約方法はネット、往復ハガキ、受付の直接訪問の3つがあります。

インターネット予約

インターネットで申し込む場合は、宮内庁のサイトから申し込みができます。

ハガキでの予約

ハガキの場合は往復はがきを使います。コンピューター処理をするそうなので正しく記入する必要があります。記入例は宮内庁のページ(ハガキ記入例)から見られます。

直接訪問

今回は直接訪問で見学しました。もともと予約が必要ということを知らなかったため、行ってみたら13:30と15:30のみ、見学者をまとめて案内する形を取っていると言われたのです。

修学院離宮の入り口に受付の方が2名いて、身分証明書と名前・県名・性別だけ記入させられ、予約券(紙)のようなものをもらいます。その後集合時間の20分前には入り口に来るよう言われます。

そして集まると、券を入り口で見せ、その先の受付で券と身分証明書を見せて、待合室へ。
時間まで待つと、そこに集まった人をガイドの人が引き連れて修学院離宮のポイントへ移動しながら解説してくれるという形になりますね。

修学院離宮へのアクセス

修学院離宮の木々と道

  • 住所:京都府京都市左京区修学院藪添
  • 時間:9:00〜
  • 電話:075-211-1215
  • 最寄:叡山電鉄、修学院駅から 徒歩20分
  • 最寄:市バス、修学院離宮道から 徒歩15分

修学院離宮は住宅街と山・農村というように、お店があまりありません。なので、観光で美味しいランチなど、お店は期待しない方がいいかもしれません。観光向けではありませんが、修学院駅前に商店街があります。

修学院離宮近辺のおすすめ観光ルート

修学院の観光スポット

修学院離宮の待ち時間を使って、蔓殊院門跡や赤山禅院などがおすすめ。蔓殊院門跡は修学院離宮の門を正面にして右。赤山禅院は修学院離宮の門を正面にして左に行くと10分前後で到着します。

蔓殊院門跡は小さな寺院で建物内を見物するのがメインなので修学院離宮の待ち時間が短い時に行くといいでしょう。

赤山禅院は中規模な寺院で、森の中などが好きな人にはおすすめです。修学院離宮の待ち時間がややかかりそうな時に行ってみるといいと思います。

修学院と一乗寺は徒歩で行ける距離なので、下記に修学院離宮から徒歩で行ける範囲の観光スポットをまとめました。興味のある方は参考にしてください。

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