養源院がわかる2つの見どころと歴史にかかわる3人の人物

1. 養源院の歴史がわかる3人の人物

養源院1

養源院は豊臣秀吉の側室であった淀殿や、淀殿の妹である崇源院、そして淀殿と崇源院の父である浅井長政の3人にゆかりのあるお寺です。それではこの3人を中心に養源院を見ていきましょう。

人物1. 養源院を建てた淀殿

養源院は淀殿が建てたお寺です。淀殿は、浅井長政と織田信長の妹である市の娘で、豊臣秀吉の側室です。

この淀殿が子供ができなかった豊臣秀吉の子を産む事で権力を持ちます。淀殿や豊臣秀吉、子の豊臣秀頼などの繋がりと、養源院や養源院周辺の豊国神社や方広寺など、養源院周辺のスポットに歴史的な繋がりが見えるようになります。

人物2. 養源院を再建した崇源院(江与)

崇源院(すうげんいん)は江与(えよ)という淀殿の妹で、徳川秀忠の妻でもあります。

淀殿が建てた養源院は焼失してしまい、それを再建したのが崇源院なので、淀殿から妹の崇源院へと繋がりがあるのが養源院なのです。

ちなみに崇源院と淀殿の父は浅井長政ですが、この浅井長政の法号(戒名)が養源院天英宗清であり、浅井長政を弔うお寺でもあります。

人物3. 淀・崇源院の父である浅井長政

浅井長政は一度は織田信長と同盟を結びますが、のちに織田信長に討たれた武将で、織田信長の妹である市を妻にしています。しかも信長と同盟を破棄し対立している時は、木下藤吉郎秀吉などが実際に軍を動かしていたり、降伏の最終勧告を行っています。

そのような経緯があるにも関わらず、浅井長政の娘である淀殿が秀吉の側室になるなど、浅井長政と織田信長、豊臣秀吉、淀殿の繋がりが濃いのも特徴です。

2. 養源院の見どころ

養源院2

養源院の見どころは屋内がメインです。割と長い時間血天井や屋内の見どころを説明付きで巡るタイプの観光スポットになっています。境内も屋内も小さいお寺ですが、解説を全部聴きながら観光する場合は、その他の観光スポットとの時間配分を考えながら観光するのが良いと思います。

見所1. 血天井

養源院の本堂には「血天井 があります。「血天井」とは伏見城攻防戦で戦死した鳥居元忠たち将兵の血糊が付いた床板を、供養の意味も込めて養源院の天井にはめ込んだものです。この血天井は養源院以外にもはめ込まれており、宇治の興聖寺など、京都一帯に分散されています。これは徳川家の忠臣を弔うためなので、徳川秀忠やその妻·江与が行ったとされています。

養源院ではこの血天井のシミを解説してくれるサービスがあるのでわかりやすく、実在した人物の血が人型に見えることもありちょっとしたホラー感が楽しめます。

また、伏見城攻防戦とは、関ヶ原の合戦の前哨戦のような戦で、養源院から徒歩圏内にある三十三間堂や豊国神社・方広寺など、豊臣政権から徳川政権に変わる時代の流れを感じられるのも養源院周辺の良いところです。

見所2. 俵屋宗達の襖絵・杉戸絵

養源院の見どころで印象的なのが俵屋宗達(たわらやそうたつ)が描いたとされる襖絵と杉戸絵です。養源院の屋内は狭く、入ると目立つのが襖絵です。この象や逆立ちしたような狛犬などが書かれた襖絵と杉戸絵などは有名ですが、当時、俵屋宗達は象を見たことがなかったのではと言われています。養源院拝観でポストカードをもらえます。

3. 養源院周辺の観光スポット

養源院の周りには三十三間堂や法住寺、法住寺陵(後白河天皇陵)などが近く、その他にも智積院、豊国神社、方広寺、京都国立博物館などがあります。観光スポットが密集しているため、徒歩で観光できるのが良いところです。

その他にももう少し歩くと新日吉神宮や新熊野神社などもありますが、こちらは割とマニアックな観光スポットです。

法住寺と後白河天皇陵

法住寺の山門

養源院のとなりにあるのが法住寺と後白河天皇陵です。

法住寺の竜宮門

法住寺1

三十三間堂と養源院の隣にあるのが法住寺です。境内は狭く見どころが多いわけではありませんが、独特の造りが印象に残るお寺です。鬼瓦などにも注目してみると他のお寺との違う独特の造りがわかります。

法住寺の鬼瓦

法住寺に関する歴史では、有名なものに法住寺合戦というものがあります。法住寺合戦とは、木曾義仲が後白河法皇と後鳥羽天皇を幽閉した平氏政権に対するクーデターです。

木曾義仲は源頼朝・義経の従兄で、信濃の源氏です。朝日将軍の別名があり、京都の八坂の塔(法観寺)に首塚があります。

法住寺の鬼瓦

平安時代後期は、平清盛が政権を掌握しており、後白河法皇は清盛の妻の妹である滋子を女御とし、清盛と後白河は義兄弟になている時代です。ちなみに法住寺のそばにある三十三間堂は清盛が後白河天皇のために造営しています。

法住寺の絵馬

法住寺の境内

法住寺の鬼瓦3

法住寺2

法住寺の絵馬など

法住寺後白河天皇陵

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です