和む。京都の鴨川。散歩でも観光でも楽しめる区間を解説

03. 京都の観光スポット

このページでは鴨川の見どころを解説していきます。鴨川はかなり長い川なので、それぞれ特徴があり、季節でも桜が咲いたり川床が出るなどの違いがあります。普段は散歩やのんびりするには良いスポットでもあるので、その辺りを細かく解説していきます。

1. 鴨川の見どころ各所

鴨川

出町柳駅付近に鴨川デルタと呼ばれる場所があります。実はこの辺りから鴨川が賀茂川というように名前が変わっていたり、もう一つの川である高野川に分かれています。

  • 賀茂川の源流は貴船神社付近
  • 高野川は大原・八瀬付近から流れてきている
  • 賀茂川と高野川が合流して鴨川になる

簡単にいうと賀茂川+高野川=鴨川ということです。

見所1. 賀茂川(京都植物園横〜上賀茂神社付近まで)

京都府立植物園〜上賀茂神社付近の鴨川(賀茂川)の桜

この賀茂川沿いもゆったりとした平和な雰囲気があり、良いスポットです。ソメイヨシノが両岸に植えられていて、春には東岸は桜のトンネルのようになります、お弁当を食べる花見客も多く見かけられます。また、夜間のライトアップも行われるスポットです。

川の飛び石を渡ったり、鳥も数種類いたりと、散歩しながらのどかな気分になるようなスポットになっています。

見所2. 鴨川デルタ(出町柳駅や下鴨神社付近)

鴨川デルタは出町柳駅から徒歩1分程度の場所にある鴨川の人気スポットです。東から流れてくる高野川と西から流れてくる賀茂川の合流点にある三角州の部分になります。休日には親子連れや学生が多く訪れる市民の憩いの場でしたが、近年映画やアニメのロケ地としてよく使われたため観光客にも人気のスポットになりました。学生や家族連れ、カップルなどが多く、のんびりできるスポットになっています。

鴨川デルタ付近は鳶(トビ)が多くいるのが特徴的です。また、近くには旧三井家下鴨別邸や下鴨神社、京都御所があるので、それらの観光ついでに立ち寄るのも良いと思います。鴨川デルタの川辺は憩いの場になっているので観光の合間でも一休みしながら和むにはもってこいの場所でしょう。

また桜の季節は、鴨川デルタから徒歩圏内にある京都御所に立ち寄るのがおすすめです。広い京都御苑の中にはたくさんの桜が植えられ、とても美しい景色が見られます。出町柳駅から徒歩で鴨川デルタに行き、その後京都御所にも徒歩で行ける距離です。

見所3. 三条〜四条(八坂神社や祇園白川付近)の鴨川

祇園四条近辺は京都でも代表的な観光名所です。鴨川付近の花見小路通や祇園白川などは舞妓さんや芸妓さんを見かけることもあるでしょう。多くの茶店もあり京都らしい雰囲気を楽しむことができるエリアです。

鴨川も降りて休憩したりできる歩道があり、春は桜も咲き、七夕では京の七夕のライトアップが行われたり、川床なども並ぶスポットです。出雲の阿国の銅像などもあるので、歴史的な雰囲気も多少あります。また、夜になると弾き語りをしている人などもいて、鴨川の中でも賑やかなスポットと言える場所でしょう。

この辺りは観光名所として有名なスポットが多々あります。建仁寺・円山公園・知恩院・八坂神社などなど、歩くほどに観光スポットを巡れる観光地です。

鴨川納涼床(川床)

川床は京都の夏の風物詩として有名で、全国から観光客が訪れます。「川床」の呼び方は地域によって違いがあり、貴船では「かわどこ」、鴨川では「納涼床(のうりょうゆか)」「かわゆか」と呼ばれているようですが、あまり区別されていないように思います。鴨川での納涼床が年中行事として始まったのは17世紀初頭ごろとされ、18世紀末ごろまでは祗園祭の前祭りから後祭りまでの期間に設営されていたそうです。

江戸時代の中頃には、店の数は400軒を超えていたとされています。現在のように固定された床があるわけではなく、当時は張り出し式の床や床几を並べたもので「河原の涼み」と呼ばれていたそうです。現在のような形になったのは明治時代以降とされています。

四条〜三条付近の鴨川に隣接したお店が川床を出します。スタバの川床は人気ですが、安く川床が楽しめるので行ってみると良いかもしれません。

現在の鴨川納涼床は夜床が5月1日〜9月30日、昼床が5月と9月に行われており、七夕の時期には京の七夕イベントと合わせて、雰囲気の良い川床と鴨川が楽しめます。営業期間や営業時間などは店舗によって異なるので、事前に確認したほうが良いでしょう。雨天の場合休業するお店もあるので注意しましょう。

お店は、和食京料理からイタリアン、フレンチなどの洋食、創作料理居酒屋など様々なお店があります。

春には桜も綺麗なのが三条〜四条までの鴨川です。枝垂桜と染井吉野が混在して植えられています。こちらは祇園白川や円山公園など、徒歩で行ける場所に桜の名所があるので、四条大橋付近は桜の時期の観光ルートとしてもおすすめです。

【四条鴨川付近の観光スポット1】 祇園白川

祇園白川は古い京都を感じさせてくれる町並みが楽しめる場所で、鴨川のすぐそばにあります。鴨川から八坂神社方面の信号を渡って左手にある場所です。

【四条鴨川付近の観光スポット2】 花見小路通

花見小路通も祇園白川と並び、古き良き町並みを感じさせる通りで、舞妓さんや京都という雰囲気を味わいたい人にはオススメのスポットの一つです。

【四条鴨川付近の観光スポット3】 建仁寺

花見小路通を進んだ突き当たりにあるのが建仁寺です。風神雷神図屏風や双龍図など迫力や歴史を感じさせる屋内と、広くシブい外観を楽しめるお寺です。摩利支天堂などの塔頭寺院もありますね。

【四条鴨川付近の観光スポット4】 八坂神社

八坂神社は全国に約2300社あると言われている八坂神社や素戔嗚尊を祭神とする神社の総本社で、地元の人々には、祇園さんと呼ばれ親しまれています。

【四条鴨川付近の観光スポット5】 円山公園

八坂人神社の隣にある円山公園にあるのが有名な「祇園枝垂桜」です。桜の季節には園内の800本を越す桜が一斉に咲き乱れ、大勢の花見客で賑わう桜の名所です。

【四条鴨川付近の観光スポット6】 知恩院

円山公園からすぐの場所に知恩院があります。大きな門構えで迫力のあるお寺なのですぐにわかります。大仏や庭などを楽しめるスポットですが、階段が多いので足腰や体力と相談して観光しましょう。

その他

この他に祇園四条付近の鴨川から行ける場所は歩けば歩くほど多くあり、観光スポットが連続しています。八坂神社から知恩院へ行く方向とは逆に行くと高台寺や圓徳院、霊山観音、三年坂、二年坂、清水寺などへと続く他、安井金比羅宮や六道珍皇寺などもあるので観光の参考にしてみてはいかがでしょうか。

見所4. 清水五条駅付近の鴨川

清水五条駅というと清水寺や六波羅蜜寺、市比賣神社や豊国神社に近い地下鉄の駅です。この清水五条駅からずっと鴨川を歩いて行くと、くいな橋付近で鴨川沿いの歩道がストップされています。清水五条駅付近では清水寺に行く人が多いですが、意外と距離があります。

見所5. 七条大橋付近の鴨川

鴨川を歩いて七条大橋からは、三十三間堂や智積院、豊国神社などが近く、逆方向の渉成園や東本願寺、京都駅に徒歩で行ける距離でもありますが、思ったより遠く感じるかもしれません。七条から清水五条駅までの鴨川はこれといった見どころはないものの、カモやサギなどが多く見られるスポットです。

見所6. 九条以降の鴨川

鴨川を歩いて九条周辺では東福寺が近くにあり、最寄駅も東福寺駅です。九条からそれ以降の十条やくいな橋方面の鴨川沿いには観光スポット的なものはありませんが、鷺(さぎ)を始め、数種類の鳥をよく見かけます。

花も色々と咲いていたり、犬の散歩をしている人もいるなど、のどかな雰囲気があります。観光向きではないにしろ、川辺に座ってのんびりするのには良いスポットと言えるでしょう。また、電車好きには電車が近くでみられることから良いスポットなのかもしれません。

九条からくいな橋駅付近はサギの他、セキレイなどの小さな鳥が多くいます。また、ヌートリアという大きなネズミのような生き物や亀なども見かけるなど、鴨川を歩くほど色々な生き物がいる事がわかるでしょう。鴨川の源流に近づくほど珍しい鳥や植物があるなどという話も現地の人から聞いています。

鴨川のヌートリア

また、九条の鴨川にはヌートリアという外来生物が住み着いていて、たまに見かける事ができます。ヌートリアは大型のネズミのようなビーバーのような外見で、器用に手で草を掴んで食べたり、泳いだりと見ていて可愛い雰囲気があります。ただ、噛まれると大事に至ったり、生態系を乱すなど、地域からは好まれていないようです。

鴨川・九条の桜

九条の川沿いには桜が咲きます。京都には各所お花見ができる桜の名所がありますが、何気ない九条の鴨川沿いの桜なども見応えがあります。

2. 鴨川の歴史と概要

鴨川は京都市内を南北に流れる全長約31キロの一級河川です。平安時代には都の東の境界とされていました。水源は標高約896メートルの桟敷ヶ岳で、上賀茂付近で京都盆地に出て、出町柳付近で高野川と合流し、下鳥羽付近で京都盆地の西側を流れる桂川と合流します。

現在は遊歩道が整備され、自然を楽しみながら散歩ができるようになっています。また鴨川沿いは、京都ならではの観光や納涼床などが楽しめる場所として人気があります。

鴨川の上流では古来から禊が行われ、神聖な場所とされていました。京都の有名な祭りのひとつである八坂神社の祗園祭の神用水清祓式は鴨川で行われ、神輿洗で神輿を祓い清めています。またかつては上賀茂神社、下鴨神社の祭事である葵祭の禊も鴨川で行われていたといわれています。

空也上人によって萬燈会が行われた

鴨川の鳥がいる風景

963年、空也上人が鴨川のほとりに600人の僧を招き、般若経を唱え、夜に萬燈会(まんどうえ)を行い六波羅蜜寺や諸堂の落慶供養を行ったと言われています。落慶供養(らっけいくよう)とは、寺院・神社などの工事が完了を祝う儀式。密教の地水火風空という五大を表した大文字の送り火と似たもので、大文字の送り火の起源とも言われています。

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