上賀茂神社は結婚式も多いパワースポット。見どころや周辺情報を解説

02. 京都の神社

上賀茂神社かみがもじんじゃ」は正式には賀茂別雷神社かもわけいかづちじんじゃといいます。

社殿の多くが国宝や重要文化財に指定されていて、平成6年(1994年)12月には古都京都の文化財として、世界遺産条約に基づく世界文化遺産にも登録されました。

近年はパワースポットとしても人気を集めている京都最古と言われる歴史を持つ上賀茂神社。

その社伝によると、神代の昔に賀茂別雷命かもわけいかづちのみことが現社殿の北北西にある神山に降臨したのが起源と言われています。

この地に神の降臨を願って作られた円錐形の立砂など、上賀茂神社の歴史に関わる特徴的な見どころが現在も受け継がれているため、上賀茂神社の見どころを見ていきましょう。

上賀茂神社の見どころ

多くの国宝や重要文化財がある上賀茂神社は広く、ゆっくり見て回りたい所ですが、京都観光が楽しめるよう特におすすめな見どころをご紹介します。

立砂

立砂


二の鳥居を入ると円錐形の砂山があります。これは立砂たてずな神様が降臨した神山を模したものと言われています。

パワースポット好きな人は、ここで「気を感じる」という人もいるのだとか。立砂の横には、参拝者向けに「清めのお砂」が一包500円で売られています。鬼門にまかれる清めの砂も、ここからきていると言われています。

鬼門きもんとは北東のこと。 陰陽道でうしとらの方角から鬼が出入りすると考えられている方角です。

岩上

岩上

上賀茂神社で1番のパワースポットと言われているのが岩上がんじょうです。

岩と草木があるだけの場所なので、知らないと素通りしてしまいそうですが、その周囲は注連縄で結界が張られていて、神域であることがうかがえます。

太古に、上賀茂神社本殿の後方約2Kmの秀峰神山こうやまに御祭神の賀茂別雷神かもわけいかづちのかみが降り、678年頃に天武天皇が祭祀さいしを行っていました。

神山こうやまを象ったのが二の鳥居を入った場所にある立砂たてずなです。

そのため岩上がんじょうは加茂信仰の原点と言われ、葵祭(加茂祭)で宮司がこの岩の上で蹲踞そんきょします。

そして勅使ちょくしと対面し、返祝詞かえしのりとをあげます。

このように岩上は上賀茂神社で最も神聖な場所だと伝えられ、古代祭祀の形を今に伝える場所となっています。

  • 蹲踞そんきょとは日本の伝統的な姿勢で、体を丸めてしゃがむ座法、もしくは直立の姿勢から膝を曲げ腰を深く降ろし、爪先立ちで両膝を開いた相撲の体勢など
  • 勅使ちょくしとは天皇の意思を伝える使者のこと
  • 祭祀さいしとは祖先や神をお祭ること。天皇中心に行う祭祀を宮中祭祀という

神と人との心の通い路でもあり上賀茂神社の中でもとりわけ神聖な気が集中する場所と上賀茂神社の岩上の説明がきにも書かれています。

神山湧水

神山湧水


手水舎の水はご祭神・賀茂別雷大神が降臨したと言われている神山の水を汲みあげてたものを使用しており、口をゆすぐだけでなく飲用することも可能といわれます(神社に確認してください)。

願い石

願い石

渉渓園には龍の住む池があったとされ、願い石はその池の底から出土した石です。ふたつの石が合わさった形をしていて、両手で石に触れると、願いが叶うと言われています。

上賀茂神社の季節・イベント

上賀茂神社の季節・イベント

結婚式

上賀茂神社では結婚式に遭遇する事が多々あります。それだけ結婚式が行われているという事ですが、上賀茂神社の結婚式の一部をみる事ができるのは一つのイベントと感じられるかもしれません。

3月 上賀茂手作り市

2006年3月から毎月第4日曜日に行われている上賀茂神社手作り市は、境内を流れる小川沿いを中心に250店を超えるお店が出店します。菓子やパン、農産物、アクセサリー、小物などいろいろな商品が並びます。

4月 桜

上賀茂神社の桜

上賀茂神社には大きな桜の木があります。たくさんあるわけではなく目立つ立派な桜の木があるという配置です。

上賀茂神社は桜スポットではありませんが、鴨川の桜と合わせて、春の季節を感じさせてくれる雰囲気があります。上賀茂神社の広い敷地に生える大木の桜は見栄えがするので、鴨川の桜と合わせて、有名な桜スポットに行き飽きている人にはおすすめです。

賀茂競馬

葵祭の前に行われる賀茂競馬。神山こうやまに御祭神の賀茂別雷神かもわけいかづちのかみが降臨した際に走馬を行い、祭りを行ったとされるため、賀茂競馬が競馬発祥の地ともされています。日曜・祝日には白馬(神馬)が見れることも。

5月 葵祭

毎年5月15日に行われる葵祭は539年に即位した欽明天皇(第29代天皇)の頃に始まったとされる古来から続くお祭りです。

国家的な行事として行われてきたもので祇園祭、時代祭と並び京都三大祭の一つとして知られています。京都御所から下鴨神社、上賀茂神社へ都大路を、総勢500名を超える平安絵巻さながらの優雅な行列がねり歩きます。

観光客も多くなる日ではありますが、京都御苑と下鴨神社参道に有料観覧席が設けられます。ゆっくりと観覧したい方におすすめです。

御朱印

上賀茂神社の御朱印は、通常のものと限定のものがあります。どちらも300円で授与所でいただけます。限定のものは式年遷宮記念のものです。21年に1度行われる式年遷宮の時にいただけます。

二葉姫稲荷神社

二葉姫稲荷神社

上賀茂神社は新緑の時期に行くと美しい景観が楽しめるスポットです。広い敷地の一部に緑が綺麗場所があり、小さな森のような雰囲気が味わえます。その先を進んで行くと鳥居が続く階段があり、その上には二葉姫稲荷神社があります。二葉姫稲荷神社は小さな神社なので階段を上がった先に期待しすぎる事なく、簡素な休憩所と社があると思っておくといいでしょう。階段を上がるだけあって見晴らしは少し良い部分もあるので、少し休息するのにもいい場所と言えそうです。

上賀茂神社周辺の飲食店

上賀茂神社周辺の飲食店

上賀茂神社の入り口付近に饅頭などを売る店が少々、鴨川に向かって歩いて行くと、飲食店が少々あります。飲食店の数は少なく、お土産屋や飲食を楽しみに観光する場所としては不向きな部分はありますが、お好み焼き屋や定食屋、饅頭屋などが上賀茂神社前や横にあるので、大幅な移動の億劫さがないのが良いところです。

葵屋焼き餅総本店と神馬堂の焼き餅

葵屋焼き餅総本店は上賀茂神社の鳥居前、バス停横にあるお店で焼き餅を売っています。鴨川を歩きながら焼き餅などを食べるのも良いかもしれません。

また、上賀茂神社の鳥居を出て右手側には神馬堂があります。葵屋焼き餅総本店と同じく、焼き餅を売っており、こちらも甘いものが好きな人には上賀茂神社を訪れたら食べたい一品となるでしょう。どちらの焼き餅が美味しいのか食べ比べながら鴨川を歩くのも楽しいと思います。

上賀茂神社を含むおすすめ観光ルート

上賀茂神社を含むおすすめ観光ルート

鴨川

上賀茂神社の近くには鴨川があります。山が近く雄大な景色が楽しめるスポットで、鳥も多く、憩いの場にもなっています。春には桜のトンネルが長く続く道があり、女性やカップには人気のスポットになっていますが、思ったよりも人は少ない桜の穴場スポットです。

バス → 上賀茂神社 → 鴨川 → 京都府立植物園 → 北山駅もしくは北大路駅(地下鉄烏丸線) → 京都駅

他にも上賀茂神社の鳥居を出て鴨川と逆の左側に進むと、西村家庭園があります。上賀茂神社から徒歩で10分もかからない距離にある小さな民家のような庭園です。西村家庭園は現存する最古の社家の面影を残す庭園があるなど、歴史が好きな人にはおすすめです。

ただし、小さい民家と庭なので、華やかな観光が好きな人には素朴すぎておすすめできません。西村家庭園についても書いたのでそのページを見て検討されると失敗も少ないと思います。
西村家庭園のページはこちら

他には、かなり距離はありますが、葵祭で有名な下鴨神社と上賀茂神社の間を歩いてみるのがおすすめです。途中には半木の道や京都府立植物園、井上社もあります。半木の道は桜の名所なので特に春はおすすめです。

上賀茂神社へのアクセス

上賀茂神社へのアクセス

上賀茂神社の馬
住所:京都府京都市北区上賀茂本山339

上賀茂神社の鳥居の前にバス停があるので、バスでのアクセスは便利です。
電車では最寄駅が遠く、アクセスは不便になるでしょう。

京都府立植物園から鴨川沿いに歩き上賀茂神社に行くコースは、京都府立植物園や鴨川など、植物や鳥などを楽しみめる人にはおすすめの観光ルートになります。

上賀茂神社の関連人物

上賀茂神社の関連人物

玉依比売命

加茂川にいた玉依比売命たまよりひめのみことは、流れてきた丹塗りの矢を拾います。

その矢を持ち帰り寝床に祀り眠ると御子を懐妊。その御子が賀茂別雷大神かもわけいかづちのおおかみという伝説があります。

そのため上賀茂神社に縁結び・安産信仰が昔からあり、紫式部もここにきていたという話もある歴史あるスポットとなっています。

紫式部

紫式部は源氏物語の作者で、源氏物語は光源氏が多くの女性と恋愛するという物語です。そのため縁結び・安産に関わる上賀茂神社に紫式部も訪れたと言われています。現代では上賀茂神社に紫式部を描いたハート型の絵馬があります。

また、源氏物語の中でも上賀茂神社と下鴨神社の例祭である葵祭あおいまつりが描かれていることや、光源氏が愛する紫の上は上賀茂神社の北側の北山に住んでいるなど、紫式部が平安時代に上賀茂神社に訪れた痕跡が源氏物語からも感じられます。

上賀茂神社の豆知識

社殿は、天武天皇7年(678年)に造営
現在の社殿は本殿、権殿が文久3年(1863年)に造替
その他の社殿は寛永5年(1628年)に造替されたもの

コメント

タイトルとURLをコピーしました