正伝寺は比叡山を背景とする借景庭園を楽しめる静かなお寺

正伝寺は臨済宗南禅寺派のお寺で、吉祥山 正伝護国禅寺といいます。
洛北西賀茂にあり、鎌倉時代に東巌慧安禅師が創立しています。

造りとしては境内に入る部分に森と竹林のような緑の綺麗な場所があり、そこから階段を上がって正伝寺が見えてきます。

その途中に鐘のある庭があり、秋には金木犀の香りもするなど、のどかな雰囲気があります。

正伝寺の建物に入ると、縁側部分を歩けるだけで、そこから眺める小さな庭と、入れない小さなお堂の中を観られるだけです。
ですが、鳥の声や虫の声意外はたまにしか聞こえないような場所で、静けさが気持ちのいいお寺です。

何もないお寺の雰囲気が好きな人や、庭を観ながらぼーっとしたい人には良いスポットと言えるでしょう。
逆に、華やかな京都観光が目的な人には向かないので注意が必要です。

故・デビッド・ボウイ氏や谷村新司氏も好むお寺として知られています。

正伝寺の庭は面積としては狭いですが、刈り込みされたサツキと白砂敷の印象深い枯山水の庭です。
その庭から見える山は比叡山で、庭の近景と比叡山の遠景がバランスよく、借景庭園として京都市指定名勝とされています。

借景庭園とは、庭園の外にある山や森などを、庭園の背景として溶け込ませる手法です。
正伝寺の縁側からみる借景庭園はリラックスするにはとても良い場所と言えるでしょう。

血天井

正伝寺には血天井があります。
血天井というのは関ヶ原の戦いの直前行われた伏見城の戦いで、徳川家康側の家臣たちが伏見城で自刃し、その死を弔うために、血がついた床を正伝寺など、各所の天井にしたとされるものです。

正伝寺の他にも養源院・宝泉院・源光庵・興聖寺・天球院・神応寺・栄春寺にあります。
正伝寺の血天井はかなり古い感じで、血のシミや板の劣化が強くかんらじられ、当時の惨状が強く残るような印象を受ける人も多そうです。

静かな庭とは別に、壮絶な血天井が上にあるというは、歴史の流れを感じる奥深さがあるとも言えそうですね。

狩野山楽による襖絵

本堂の襖は痛んでいますが、この襖絵は桃山時代の狩野山楽によるもので、山などの絵が描かれた雰囲気のある襖絵です。

人も少ないので、のんびりするにはおすすめの場所です。

竹林の道

正伝寺の下には竹林の道があり、とても良い雰囲気と静けさが楽しめます。

京都には竹林の道がある場所がいくつかありますが、嵐山などの人が多い観光地と違って、正伝寺の竹林の道は人が少なく、静けさを楽しむには良いスポットと言えるでしょう。

ただし、それほど長い道でもないので、その点は期待しすぎず楽しむつもりで出かけると良いと思います。

正伝寺へのアクセスや拝観料

拝観料は、大人400円・中学生300円・小学生200円
9:00~17:00まで開いているようです。

正伝寺は駅から離れている場所にあり、観光には不向きなスポットといえそうです。
最寄駅の北大路駅からでタクシーで1200円前後で、時間は10分〜15分程度でした。

帰りに北大路駅まで歩いてみると、途中にいくつも小さな神社やお寺があり、それらを見て回ると相当な時間がかかります。

基本的には大通りから一つ入った裏道にあるので、わかりにくいかもしれません。
大通りがあるので、その分タクシーは捕まえやすいのがメリットだと言えるでしょう。

また、法雲寺や西方寺脇の道が正伝寺の竹林の道に続いています。
西方寺近辺は墓地になっていて、その墓地を抜けると法雲寺があり、その脇道に竹林の道があります。
そのまま直進し、左手の坂道階段を上がると正伝寺が見えてきます。

正伝寺を含むおすすめ観光ルート

正伝寺近辺には観光スポットらしいものはあまりなく、ゴルフ場や住宅街になっています。 また、少し離れた場所にお寺や神社があるものの、お墓があるお寺や入れないお寺などがある程度です。

最寄り駅である北大路駅までは遠いので、そこまで歩く途中に、大将軍神社や石井神社など小さな神社やお寺が少しずつありますが、観光向きかというとそうではありません。

なので京都観光をする際に選ばれる様なお寺ではありませんが、リラックスしたい人や庭が好きな人には良いのかもしれません。

一人旅でわりと歩く人向けだと、今宮神社や大徳寺に行けなくもないので、そちらと合わせて一人旅を楽しむのもありかもしれません。

なので家族旅行やデートには不向きな場所と言えるので、その点は注意しましょう。

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