大覚寺は大沢池と合わせて観光できる嵯峨の門跡寺院
大覚寺は渡月橋や竹林の道などで有名な嵐山近辺にある寺院です。嵐山駅から徒歩で20分ほど歩くと到着する嵯峨野の北東に位置しています。嵯峨野と言うだけあって大覚寺の正式名称は、旧嵯峨御所大覚寺門跡といい、門跡と言うのは皇族などが住職となっている寺院のことです。
この大覚寺は嵯峨天皇から始まり、その孫が開山を務めていることでも有名でしょう。ちなみに開山とはお寺を開くことです。
この様に大覚寺は嵯峨天皇と縁の深い寺ですがもう一つ、生け花発祥の地ともされ、生花が飾れているなど、上品な雰囲気のお寺となっています。
また大覚寺の横には大沢池と言う大きな池があり、この池の周りを歩くこともできます。
観光スポットの一つなので京都観光に来たら有料で大覚寺に入り、無料で大沢池の周りを歩くと言う観光の仕方がメジャーでしょう。
大覚寺
大覚寺は、真言宗大覚寺派の本山で、山号は嵯峨山、御本尊は不動明王を中心とする五大明王です。この地には平安時代初期に嵯峨天皇が離宮を営んでいましたが、嵯峨天皇が崩御して30数年後の貞観18年(876年)に離宮嵯峨院を寺院に改めました。皇室にゆかりのある寺院で、後宇多法皇がここで院政を行うなど、日本の政治史に深い関わりをもつ寺院でもあります。室町時代末期の応仁の乱による火災で伽藍のほとんど焼失してしまいましたが、江戸時代初期再建されました。現在は、境内全体が国定史跡になっています。
大覚寺の歴史
大覚寺の歴史は、嵯峨天皇の離宮だったことに始まり、その孫へと伝わっていき、時代を経て南北朝の政権争いへと繋がっていきます。
そして事実上の終止符が打たれたのも大覚寺なので、その歴史を知るとより観光も楽しくなると思います。
平安時代
嵯峨天皇は平安時代初期に在位した天皇で実は空海の弟子になります。
嵯峨天皇と空海はとても仲が良く、空海は嵯峨天皇の離宮の中に五大明王を安置するほど。
ここで修法を行ったのが大覚寺の原型となっています。
嵯峨天皇が亡くなった後正子内親王が離宮を寺とし、嵯峨天皇の孫の恒貞親王(つねさだしんのう)が大覚寺を開山しました。
鎌倉時代
鎌倉時代に後宇多法皇が大覚寺を再興が大覚寺を再興し、ここで院政を行ったため嵯峨御所とも呼ばれました。
亀山法皇→後宇多法皇・・・と続く大覚寺統と、深草天皇の系列である持明院統が帝位につく両統迭立という体制が続き、対立関係が生まれることで政治的な権力が南北朝に分裂していきます。
室町時代
1392年に南北朝は和解し、後亀山天皇から北朝の後小松天皇に三種の神器が引き継がれます。
その場所も大覚寺であり、これらの歴史からみてとても皇室にゆかりの深い寺院となっています。
これらの歴史を辿ると綺麗な形に見えますが、詳細などを調べることで、綺麗事ではない政権争いや統一について知ることができるでしょう。
京都観光を面白くするための情報なのでここまでにしますが、興味ある方は大覚寺を観光した後に、空海と嵯峨天皇や南北朝についてなど、さらに歴史を調べてみると面白いと思います。
大覚寺の屋内拝観
大覚寺は有料で屋内拝観ができます。
大覚寺の屋内は広い造りとなっており正寝殿や御影堂、心経殿、霊明殿など、多くの場所を見ることができます。
また庭や、中から見る勅使門や大沢池などもとても良い景色です。
その他重要文化財も多くあり、 襖絵など印象に残るものが多くあります。
御朱印帳の表紙にもなっている牡丹図などを手掛けた狩野山楽などに詳しい人はより楽しめるでしょう。
大覚寺見どころ
宸殿
重要文化財に指定されていて、大規模な法要などが行われる門跡寺院独特の建物です。全ての廊下は鴬張りになっていて、踏むと音がなります。妻飾り、破風板、天井など各所に装飾が施されています。
正寝殿
重要文化財に指定されています。正寝殿には、絵師狩野山楽と渡辺始興が描いた障壁画があり、内装も豪華で、王朝の華やかさを残しています。また、鎌倉時代に宇多法皇が院政を行った場所で、御冠の間には玉座があります。剣璽の間、紅葉の間、竹の間・雪の間など12の部屋を持つ大きな建物です。
五大堂
五大堂は本堂です。江戸時代中期に創建されました。大沢池に面する東側には、池に張り出すように広い観月台があり、そこから見る大沢池の眺望は大変素晴らしいです。五大堂では、毎月1日11日21日に写経法会が行われています。大覚寺の写経は般若心経全文写経とギャティ写経があります。
般若心経全文写経は、全文を写経しますが、ギャティ写経は般若心経の最後の部分、22文字だけを写経するものです。写経が初めてという方も気軽に挑戦してみることができます。予約は不要で9時から15時半まで行っています。紙や筆も不要です。写経の奉納料は、全文が1000円、ギャティ写経が500円です。所要時間は目安になりますが全文だと1時間前後、ギャティ写経だと15分ほどです。
大沢池
814年(弘仁5年)頃に嵯峨天皇が中国の洞庭湖を模して築造したと言われている日本最古の人工池で、周囲は約1キロあります。池泉舟遊式庭園で名勝です。奈良の猿沢池、滋賀の石山寺池と合わせて、三大名月鑑賞地とされています。
また、桜や紅葉のスポットとしても有名で、大沢池の水面に映る桜や紅葉はとてもきれいです。紅葉の見頃の季節にはライトアップも行われ、昼間とは違った幻想的な雰囲気が楽しめます。桜の見頃は3月下旬から4月中旬ごろ。紅葉の見頃は11月中旬から12月上旬ごろです。嵐山も近く桜や紅葉の時期は大変混雑しています。少しでもゆっくりと見たいのであれば開門直後に訪れるのがおすすめです。
大沢池は蓮の花が咲きますが、他の寺院よりも時期が遅いようで、8月初・中旬に咲くなど、蓮の花を見忘れた人にはいい蓮の花スポットの一つになっています。カップルの場合、大沢池を回りながらデートをするのはなかなかいい思い出になるのではないでしょうか。
大覚寺のコラボ
歴史の古い大覚寺ですが新しいものとコラボすることが多く面白いものの一つにミュージックビデオなどに使われているなど、大覚寺に行ったことがある人にはちょっとした楽しみ方もできるものがあります。
例えばEXILE ATSUSHI & 久石譲「懺悔」という曲では、大覚寺の色々な場所が登場するので ご覧になってみるのも良いでしょう。
その他、大覚寺は週刊少年ジャンプのワンピースの20周年記念イベントの会場の一つになるなど、新しいものをに関しても寛容なお寺のようです。
大覚寺の御朱印と御朱印帳
大覚寺でいただける御朱印は五大明王、心経殿、御詠歌の3種類です。心経殿と御詠歌は看板に書かれていないので声をかけてください。どれも300円です。オリジナルの御朱印帳は2種類あり1500円です。大覚寺の御朱印帳は4種類のオリジナル御朱印帳があります。
大覚寺へのアクセスと注意点
嵐山駅付近ならお店が多いので雨宿りも出来ますが、大覚寺近辺は雨宿りできる場所が少ないので、雨には注意です。
嵐山はすぐ近くに山があり夏場などは天候が変わりやすいので、旧に雨が振ることがあります。
しかもゲリラ豪雨のような強い雨が振ることもあるので傘は持っておいた方がいいでしょう。
晴天からいきなり雨が降ることはありませんが、雲行きが怪しい場合は折りたたみ傘などを持っておくのが賢い選択になりそうです。
特に嵐山駅方面から大覚寺に向かうルートで民家しかないような場所があるので、そこで雨に降られると雨宿りは難しいものです。
天候を見て判断していきましょう。
住所:京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
電話番号:075-871-0080
拝観時間:9:00~17:00 受付16:30終了
バス:京都駅から大覚寺は28系統(D3乗り場) ・ 四条烏丸から91系統
電車:JR嵯峨野線の場合、最寄り駅は嵯峨嵐山駅で下車、徒歩約15分
大覚寺を含むおすすめ観光ルート
大覚寺を含み観光楽しみたい場合は、嵯峨嵐山駅から大覚寺へ直接行き、屋内拝観時に祇王寺とセット割引になる券が買えるので、そちらを購入しましょう。
そして大沢池を楽しんだ後、清涼寺→檀林寺→祇王寺→滝口寺→二尊院→常寂光寺→野宮神社→天龍寺→嵐電嵐山駅前の商店街→渡月橋
というルートがおすすめです。
このルートだと大覚寺と野宮神社以外には飲食店もそこそこあるため、バランスの良い観光ができると思います。
またもう少し歩くと化野念仏寺などもあるので、物足りない人は行ってみると良いと思います。
ただこれだけ回ると時間が足りなくなると思うので、気に入らないところはすぐに出て、気に入ったところを長時間見る様にすると良い京都観光ができるでしょう。
お食事
大覚寺付近はあまりお店がないので、嵐山の商店街に行くのがおすすめです。ただ、大覚寺の門前にうどん・蕎麦屋があるので紹介しておきます。
しぐれ茶屋
大覚寺の門前にあるうどん、おそばのお店です。創業50年の老舗で落ち着いた雰囲気のお店です。
住所:京都府京都市右京区嵯峨大覚寺門前六道町12
電話番号:075-861-0342
営業時間:10:30~17:30
不定休