野仏庵はお茶も飲める紅葉の有名な穴場スポット

01. 京都のお寺

野仏庵の道

野仏庵は、石川丈山の手がけた庭園で有名な詩仙堂のすぐ側にありますが、観光客のほとんどが詩仙堂を訪ねて帰ってしまうので、その先にある野仏庵まで訪れる人は少なく、他の観光スポットが人で溢れる紅葉の時期でも、ゆっくりとした時間を過ごせます。

  • 野仏庵は、京都市左京区一乗寺にある寺院
  • 上田堪庵が創立し別荘として使っていた
  • 現在は宗教法人悟心会が所有している
  • 敷地内は山なりに回遊する庭園となっている
  • 多くの石仏といくつかの茶室がある
  • 門が開いて、中を見ることができるのは、水曜日・土曜日・日曜日

最寄駅の一乗寺駅から徒歩で10〜15分程度の場所にあり、すぐ近くに詩仙堂や圓光寺などの紅葉の名所が集まる人気観光スポットの一角にあります。その他にも八大神社や金福寺など、多くの観光スポットがありますが、意外と人が少ないのが野仏庵です。

1. 野仏庵の関連人物

上田堪庵とは

野仏庵の創立者である上田堪庵(うえだたんあん)は、南禅寺の湯豆腐老舗「順正」創業者で、茶人、数寄者、古美術収集家でもありました。昭和33年(1958年)京都国立博物館に茶室「堪庵」を寄贈し、昭和53年(1978年)、茶道黌会を設立した人物です。そのため野仏庵でもお茶とお菓子が出るのでしょう。

2. 西園寺公望と正門

野仏庵 入口

西園寺公望は、公家・徳大寺公純の息子で西園寺家の跡取りです。1868年王政復古で参与し、戊辰戦争では、山陰道鎮撫総督などとして従軍しました。1881年には参事院に入りし、明治39年(1906年)のは内閣総理大臣に就任し、第1次内閣を発足、明治44年(1911年)には第2次内閣を発足させました。

  • 野仏庵の入口の門はよし葺きの雰囲気のある門
  • この門は西園寺公望(さいおんじきんもち)にゆかりのある門
  • 掲げられた「野仏」の二大字は、南禅寺管長 勝平宗徹師の筆によるもの
  • 正門の両脇には狛犬ではなく羊の石像が置かれている
    • 2. 野仏庵の見どころ

      野仏

      正門から入り、進んで行くと通路のつき当たりにどっしりとした野仏様が座っています。そこだけでなく野仏庵は色々な所に野仏様がいらっしゃり、その数は100を超えるそうです。

      主屋

      主屋は、大阪淀にあった庄屋の旧邸を移築したものです。紅葉の季節には色付いたモミジを見ることもできます。座敷には詩仙堂の石川丈山の書や、松永安左衛門による歌、上田堪庵による富士山の絵が飾られています。

      • 石川丈山は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将であり文人です。わずか33歳で武士の世界を退き、58歳で隠遁生活に入りました。江戸初期の漢詩の代表的な人物です。
      • 松永安左衛門は、「電力王」「電力の鬼」と言われた日本の財界人です。

      3. 野仏庵の茶席

      • 陶庵席
        二帖中板という古い形式で作られたもので、門と同じく西園寺公望公の丹波須知村から移築したものだそうです。陶庵という名前も西園寺公望の雅号にちなんで名付けられたとのこと。
      • 茶席、雨月席
        上田秋成ゆかりの茶席の茶席で、元々は南禅寺の西に建っていたものをこちらへ移築したそうです。この茶席からは京都市内を一望することができ、とても見晴らしの良い場所です。上田秋成は、江戸時代の文人で、茶人、国学者です。雨月物語が有名です。
      • 茶席、幽扉席
        兵庫県芦屋市から移建されたものです。茅葺の屋根には白い貝殻が点々と付いていますが、これは鳥が屋根をつつくのを防止するために付けられているそうです。中は、武者小路千家好みの茶席が二席あり、広間と小間に分かれています。

      4. 野仏庵の建物などの見どころ

      • 瓦が埋め込まれた歩道
        茶席の前には模様のある歩道があります。この模様は瓦を埋め込んだもので、茶席の待合として使用されていた場所なのだとか。
      • 庭園
        主屋から見える庭園は東山を借景とした落ち着いた印象のある庭園で、約200体の石仏が点在しています。
      • 講堂
        講堂には演壇正面に金銅山王(比叡山)神本地懸尊(重要文化財)が祀られています。写経、茶道黌会の講義や演習などに用いられています。
      • 一乗寺降魔不動明王
        正門の東に隣接したところに祀られています。降魔不動明王座像は一瞬にして諸悪や悩みの根源を焼き尽くして救済すると言われています。

      5. 野仏庵の紅葉

      野仏庵は紅葉が見事なスポットの一つです。紅葉の名所である詩仙堂・圓光寺から目と鼻の先にある割に人が少ない穴場になっています。ただし、以前は観光客が大量に来ていたんだとか。静かに紅葉を楽しみたい人にはおすすめの紅葉スポットです。

      6. 野仏庵へのアクセス

      野仏庵 屋内

      • 住所 : 京都市左京区一乗寺葉山15-1
      • 時間 : 9:00~16:00
      • 開庵 : 水・土・日のみ開庵
      • 料金 : 一般: 500円(抹茶料込み)
      • 最寄 : 一乗寺駅

      7. 野仏庵を含むおすすめ観光ルート

      一乗寺駅 → 詩仙堂 → 八大神社 → 野仏庵 → 圓光寺

      ここまでがオススメの基本ルートです。八大神社以外は庭を見る事ができ、のんびりした気分で和の風情を楽しめます。そして紅葉の時期には八大神社以外はどれも見事な紅葉を見る事ができるので、「秋の京都最高!」と思って思えるルートです。

      その上で、金福寺へ行くか、狸谷山不動院へ行くか。もしくは、曼殊院 → 桂離宮 → 赤山禅院 へ行く事もできます。これは皆別方向になるため、どれかを選ぶ形になると思います。

      各お寺のページを参考にして、行きたい場所を絞っていくのがいいでしょう。野仏庵周辺の観光スポットをまとめてありますので、下記のページを参考にしてください。

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