東本願寺(京都)の歴史をわかりやすく解説

東本願寺は京都駅から歩いてすぐの場所にあります。京都駅からヨドバシカメラ方面に歩いていくと、ヨドバシカメラを過ぎた先に見えます。また、京都駅の地下道を歩いていくと地上に出ることができますが、ここがヨドバシカメラ近辺の出口にもなっています。なので東本願寺は京都駅から徒歩5分程度の距離にあります。

東本願寺と西本願寺の対立がわかる本願寺の歴史

東本願寺は、通称であり、正式名称は真宗本廟(しんしゅうほんびょう)という聞きなれない名前があります。真宗の中の大谷派の本山です。また、徒歩圏内に西本願寺もあり、名前通り共に関係性が強く、兄弟同士の対立や政治的な意図があってできたお寺とも言われているのです。

本願寺と言えば織田信長と戦った石山合戦が有名です。これは東大寺の教如の父・顕如が住職を務めていたお寺です。そして西本願寺は教如の弟である准如が住職となったお寺です。

  • 石山本願寺=顕如(けんにょ)
  • 西本願寺 =准如(じゅんにょ)
  • 東本願寺 =教如(きょうにょ)

というように、家族がそれぞれのお寺のトップとして関わっています。

  • 石山本願寺=顕如は、織田信長と石山合戦
  • 西本願寺 =准如は、豊臣秀吉により本願寺を継承
  • 東本願寺 =教如は、徳川家康により東本願寺を受領

結果から見るとこのようになりますが順風満帆だったわけではなく、西本願寺と東本願寺の創立には対立関係があったのです。

山科本願寺の戦いにより石山本願寺へ

本願寺は元は京都山科にあり、勢力が高まってきたのを警戒した細川晴元が法華一揆と結託し山科本願寺を焼き討ちしました。このような経緯から第10世法主の証如が大坂の石山本願寺へ場所を移したのが、東本願寺と西本願寺の元になる石山本願寺です。

石山合戦「織田信長 VS 本願寺(顕如)」

石山本願寺は、当時、大阪市中央区の上町台地(うえまちだいち)にありました。信長はこの地が天下統一を成し遂げるのに重要な土地と考えており、海からの貿易や対京都(朝廷)の要地になり得る事を知っていたのです。

また、浄土真宗の一向一揆も多発した事や、第11世法主・顕如は朝廷と親しく、准門跡になるなど信長としても本願寺は脅威だったのです。このような経緯から信長が石山合戦を始めたといわれています。ちなみに門跡とは皇族や貴族が住職となるお寺のこと。

顕如(親) VS 教如(子)

石山合戦は毛利軍の本願寺への援助などもあり11年もの間長引きます。最終的には毛利から本願寺への補給を絶ち、信長は本願寺に和睦を申し入れます。そして信長の和睦を受け入れたのが本願寺の第11世法主・顕如でした。

しかし、ここで和睦派の顕如と、徹底抗戦をするべきだという抗戦派の教如に分裂します。親子の対立です。

教如は顕如の息子であり、本願寺は親子で意見が食い違ったことで、くすぶっていた「保守派」と「改革派」が対立が濃くなり始め、石山合戦により本願寺が分裂する大きなきっかけが作られたのです。

結果として石山合戦の和睦を受け入れた「顕如」は保守派の僧侶を連れて、信長に寺を明け渡しました。ところが「教如」と共に徹底抗戦を支持する僧侶たちは明け渡しに反対し、寺にこもったのです。

信長は本願寺を明け方に焼き討ちするから、その前に立ち退くよう勧告します。しかし教如は勧告を聞かず本願寺にいた多くの僧が焼き討ちにより犠牲になったのです。

顕如(親)の死

本願寺焼き討ちをきっかけに顕如は紀伊へと移り、本願寺での出来事をきっかけに、教如との親子関係を断ちます。大事な僧侶たちを失った代償は大きなものでした。

石山合戦から約4年後、信長が本能寺の変で亡くなります。すると、朝廷により教如を許すように促され、親子の仲も落ち着いたかのようになりましたが、当然、顕如の亡き後「本願寺」を継ぐことを教如は許されませんでした。そのため教如の弟の准如が本願寺を継ぐことになり、西本願寺と東本願寺へと繋がっていきます。

准如(弟)が本願寺の後継者に

豊臣秀吉は教如を本願寺の後継者に推しましたが、顕如の遺言や顕如の妻の働きかけなどにより、教如ではなく、弟の准如が本願寺の後継者となりました。これにより教如は大谷本願寺を拠点に活動を続け、准如と教如の本願寺にまたもや分裂したのです。

その後、徳川家康が本願寺勢力を牽制する目的で、京都の本願寺(西本願寺)の東の位置に教如に対して土地を寄進しもう一つの本願寺を作ったのです。この本願寺が、准如のいる本願寺から見て東だったこともあり「東本願寺」と呼ばれるようになったということです。

東本願寺は、昭和63年まで本願寺宗派として活動しましたが離脱し、真宗大谷派と合併し、今の「東本願寺」へと続いているという歴史になっているようです。西本願寺や真宗大谷派なども知っていくと、より本願寺がわかり、京都観光も楽しめるでしょう。

東本願寺の公式ページはこちら

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